眠れる森の醜女
「どうだった?ランベールの郊外は」

「とても美しいところでした。お野菜も美味しかったです。いつも頂いてるお料理も美味しいと思っていましたが、あれだけの土地と水そして作る方々がいるからこそだと納得致しました」

まだ残暑も残り暑いというのに黒い服を纏い目深に帽子を被りながら涼しい様子で話すサラ姫

その表情は見えないものの声のトーンからは来た時よりもワクワクしているのが伝わってくる

「俺の妃といわれたことは?」

この話題を出したことにより

一気にサラ姫のテンションが下がり始めた

「申し訳ございません」

その後に続く言葉はなかったが

自己を追い詰めているのは確かだった

エルダーはただ容姿を気にしすぎているサラ姫に気にすることはない

ランベールでは特に気にすることもないと分かって欲しかっただけなのだが

しばらくは無言のまま城下に着いた
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