眠れる森の醜女
そんな姫もお年頃を迎え

上の姉姫さまと同様に

国の繁栄のため

婚約の話が上がっていました

「何故わたくしに
婚約の話しなどくるのかしら?」

「サラ姫さま…」

自室にて唯一、姫が話しが出来る相手

乳兄弟の侍女リーシャに

感情を何も映さない表情で語る姫

「父さまはわたしくしと
顔を合わせたくないから
外に出したいのは分かるわ
だけど、この顔である限り誰かに
愛されるわけない」

姫は自分が他とは違うということ

顔を晒すことで周りが引いた目で

見ていることにも気付いていた

父である王も距離を取られていること

自分を生んだ母はもうこの世にいない

愛されることなく

道具のように城から出されることにも

分かっていたが

どうすることもなく

婚約を受け入れた

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