眠れる森の醜女
思いが通じあった2人の行動は早く
エルダーの両親である王と王妃に挨拶に向かった
「挨拶が遅れて申し訳ございませんでした。
わたくしはガンダー国のサラと申します」
昔ながらのかしこまった挨拶を述べると
じっと両陛下から見られ、気まずい空気が流れる
容姿に自信がないサラ姫は下を向き怯えるようにしていたが
さりげなくエルダーがサラ姫の手を握る
「もっぱら噂になっていたぞ」
王が口を開く
「あの放蕩王子が姫を連れてきて、ほとんどを城にいないはずの者が毎日いると」
なぁ?と隣に座る表情が読めない王妃へと賛同を促す
「もっと早くに大切なお姫様を紹介して頂きたかったわ」
表情を崩さず、しみしわひとつない美貌の王妃が話出す
「可愛らしい方ではないの、姫?わたくし孫は姫がいいの」
無表情から一転、にこりとした顔をサラ姫に向ける
「それは、早く子を産めということでしょうか?母上」
「そうね、それだけ溺愛しているなら孫の顔はすぐでしょう?」
ほほっと笑い王は呆れた顔をしている
両陛下に認められたら
正式に二人は夫婦となる
手をつないだまま思わず、見つめあい笑顔となる