眠れる森の醜女
狂ったような女な叫び

同時に姫に眩しいばかりの

閃光が放たれた

姫が倒れるまでに

姫は狂った女のほうが

狂っていたとしても美しい顔をしている

ことに羨む気持ちがあった

こんな顔で生きているなら

死んだほうがましだとも

倒れた姫は

侍女リーシャによって

城に運ばれ

検査を受けたが

眠っているだけで

なんの異常も見つからないとのこと

すぐ目を覚ますだろう

という医師の見立てにも

関わらず

姫は静かに眠りついたまま

何十年ともそのままの状態だった


< 4 / 26 >

この作品をシェア

pagetop