初恋名簿
〜由夢side〜
「行きたいよぅ、」
ベッドの中で、そう呟いてみた。
由亜と翔太が一緒にいるなんて、すっごく嫌。
でも、わたしは翔太に幸せになってほしい。
だから、遊園地は行かないことにした。
「おせっかい由夢、」
さみしくて呼んだ親友の心優にも呆れられて。
「おせっかいなんかじゃないもん、」
「なんでもっとグイグイ行けないの!そんなんじゃすぐ由亜にとられちゃうよ!」
うっ、、心優の言葉、けっこう効く、
「わかってるけどさ、翔太のこと、ずっと好きだったんだもん。やっぱ、幸せになって欲しいって気持ちが強いよ、、」
「良い子かよ!」
心優に頭を撫でられたとき、玄関のチャイムが鳴った。
「あたし出ようか?」
「へーきだよー」
心優に返事をしてモニターを見た。
翔太⁉︎
「え、え、どうしよう!やっぱ心優出て!」
「え、どした!誰⁉︎」
「翔太!」
焦りまくるわたしの代わりに心優が玄関に向かってくれた。
翔太、なんで来るの、、
わたし、期待しちゃうよ?
玄関から聞こえる声をこっそり聞いていた。
「由夢は?」
この言葉が聞こえたとき、涙が出てきた。
わたしのために、来てくれた。わたしを迎えに来てくれた。
「由亜に渡したくないよう、、」
そう、呟いてみた。