君までの距離

考えこんでいたアタシは、その顔が30センチまで近づいて名前を呼ばれるまで気がつかなかった。

「……何してるの……未也」

我にかえって、ぱちぱちと瞬きすると、呆れたような遥香の顔があった。



「ああ…うん……休憩?」

すっと目の前に、紙コップの紅茶が差し出されるので受け取る。

遥香は自分の紙コップに口をつけながら、アタシの隣にあった椅子に座り、とんとんと叩いて呼んだ。

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