君までの距離
「……何か…悩んでいるの……」
隣に座りながら、さっきのことをどう処理していいか考えていた。
「うん…今はまだ考えがまとまらない。でも遥香、聞いてね」
きっとアタシは縋り付くような目をしていたと思う。ここが会社でなかったら…今が就業時間でなかったらアタシは遥香に縋り付いていた。
そんなアタシに、にっこりと遥香が微笑む。
「……ええ。いつでも……」
ただ遥香は笑ってくれただけなのに、アタシは誰よりも強い味方を持てたことがわかった。
そして、少しだけ楽に息が出来るようになっていた。
「よーしっ!アタシ、頑張ってくるね」
少し冷めた紅茶をくいっと飲み干すと、紙コップをダストボックスに落とした。
「遥香、ごちそうさま。また後でね」