君までの距離
「…そう。今日は…お泊りして一緒に見ない?」
遥香からアタシを気遣う気持ちを感じたので、アタシも心良く了承した。一目惚れの彼を探してさ迷っているのを、いつも心配してくれているから、今日くらいは息抜きしようと思えた。
今日は週末、遥香は独り暮らしだし、料理も上手、女子力も高いので泊まりに行けば、新作コスメを試したり、普段出来ない鍋物をしたりお互いに楽しめた。
「よぉーし。じゃ、ちゃっちゃと片付けるからね!」
腕まくりする勢いで、またパソコンに向かう。
「…ええ…待ってる」
花のような笑顔を向けられ、あーアタシ男だったら遥香と付き合うのに…なんて思ってしまう。