君までの距離
唇が重なって、アタシはこの人の全てを知りたい、全てが欲しいという欲望がわいてきた。
どちらも根の深い欲望で、抗えない熱があった。
キスを繰り返しながら、器用な指はブラウスのボタンをひとつづつ外していく。
はだけたブラウスの隙間から素肌をなぞられると、体がしなった。汗をかいた体にエアコンの冷気はひんやりするはずなのに、触る手も触られた体も熱を持って熱い。
どこを触られても、体が震えてしまう。
求めていることと、恐れていることは一緒で、アタシは浅く息をついて高遠さんに溺れていた。