君までの距離








「遥香、話があるの」


会社について、遥香を見つけると出会い頭にそう言っていた。

にこりと笑顔をつくりながら遥香が頷く。


「……夕食、一緒にとりましょう……その時に」

「わかった。定時に上がれるようにするから。終わったら連絡入れるね」



ふうっとため息をつくと少し肩の荷が軽くなった気がした。けれど、まだここで安心している場合じゃない。

遥香に話すことを整理しながら席につくと、今度は目の前の仕事に取り掛かった。

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