君までの距離
「…なぁに?そんなデレッとした顔して。脳内カレシじゃなくてリア充したら……」
気がつくとアタシの椅子に寄り掛かるようにして、遥香が携帯を覗き込もうとしていた。
遥香は唯一、アタシが携帯小説を書いているって知ってる。
つやつやのハニーブラウンの髪を大きめに巻いた遥香は、長い足が綺麗に見えるミニスカートにレギンスを合わせ、ハイヒールをはいている。そのナイスバディと大人びた顔で、ともかくモテる。
そのDカップの胸で男は悩殺されてしまうのだけれど、男に媚びを売らないサッパリした性格で気が合う。
「いいじゃないっ。これがアタシの趣味なの」
鼻の頭にしわを寄せていーっとしかめっ面を作って見せた。
「……そお?だって実際に自分で経験したほうが…リアルよ」
ちゅっと紙パックの飲み物を吸うだけなのに、色気がある……ムダに。