君までの距離

これだけは、はっきり言える。アタシ達の関係はまだよくわからないけれど、アタシは高遠さんに害を及ぼすことはしたくない。



冷たく見えたマネージャーさんの、口元がわずかに上を向く。



「そう言って貰えるなら大丈夫でしょう。裕也があんなに嬉しそうな顔をするのを久しぶりに見ました。こんなに執着するのは初めてかもしれません。

一年前に一度終わった関係を、またやり直すなんてことは今までありませんでした。

だからこそ、あなたに裕也を任せようと思えるのです」



マネージャーさんの言葉には、高遠さんを思いやる心が感じられて胸があつくなる。

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