君までの距離
アタシが勝次さんのお店に行くのは一年ぶりになる。
扉の前で緊張してしまったけれど、深呼吸してから思いきって扉を開けた。
「いらっしゃい。未也ちゃん」
何も変わらない勝次さんの声と笑顔で、今まで顔を見せなかったことを許してくれているのがわかった。
「ご無沙汰してます、勝次さん」
思わずお辞儀が深くなる。
「いいよ、いいよ。固っ苦しいのはナシにしようや。また来てくれただけで嬉しいもんだよ。
裕也とは仲直りしたようだね」
仲直りと言うのだろうか。だとしたら、長い長いケンカだったと言える。