君までの距離
カラーを待ちながらも見ていると、大柄な体なのにくるくるとよく動いて、繊細なカットもこなしていく。
軽めの外見の割りに、仕事はきっちりしている。アタシが見ていたら、カラーの仕上がりを確認して、シャンプーに行くのを促される。
誰かにシャンプーをしてもらうのは照れくさい。布を顔に置いてもらうけれど、背中がむず痒くなる。薄い布の下で百面相をしているとシャンプーが終わってまたカットに戻る。
そこにはさっきのイケメンが腰にシザーバックを巻いて立っていた。
「さあカワイクなろっか」