君までの距離
「……いい恋?」
「綺麗になりたいってそういう事なんだよ。好きな人に可愛いって言われたい、綺麗だってほめられたい、それを俺達は手伝うんだよ」
ぱちん、とハサミをしまうと鏡を出してきて後ろ髪を見せてくれた。
「どう?」
「うん。可愛くなった」
「自分で言う?」
「だってそうしてくれたんでしょう」
「ははっ。そうだね。ありがとうございました」
ばさりとケープを翻して髪を払うのも、さまになっている。イケメンは得だ。何をしてもさまになる。