君までの距離
「どうやらアンタの頭が気に入ったみたいだわ」
「困りますー!」
「俺だって困ってる…」
頭の上で鳴きかわすリア充インコの足が地肌に触れるので、むずむずとしてかきむしりたくなってきた。
「もーダメっ」
つつかれるのが怖くて、頭から追い払うことができずに座り込むと、急に動いたことに驚いたのか鳥が飛び立ち頭が軽くなる。
「ははっ。いい判断だ」
ぱたぱたと飛び立った羽音を追うとインコは、商品の飾られた棚へと飛んでいって止まった。