君までの距離


思わず目を閉じて、両腕を差し出していたのに、腕にも体にも衝撃がこない。

恐る恐る目を開けてみる。


アタシの体は、抱き留められていた。

腕にばかり注意していて、体の方を抱き留められていたのがわからないなんて、バカすぎる……

黒いジャージからは汗の匂いがする。



胸に手をおいて見上げた顔は





高遠さん、だった……






しばし見つめあってしまう。

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