君までの距離
「ゴハン、どこにしよっか。何が食べたい?」
「今日は…イタリアン」
「オッケイ。アタシもピザ食べたいし」
買物をして時間もあまりないため、行きつけのイタリアンに二人で向かうことにする。
連れだって歩き出すと、向かう先に人だかりが出来ていて、皆が何かを取り巻いていた。
「なんだろーね」
向かう店は、この道をまっすぐ行ったほうが近い。買ったばかりのショップバックを腕から下げて、遠回りする気にはならなかった。
まさか通れない、ということもないよね。ショップバックを肩まで揺すり上げて、強行突破することにする。