君までの距離

「彼は…高遠さんは意地悪でした」


名前を聞いて、店長の眉がぴくりとあがったのに気づかずに、アタシは話し続ける。

思い出すと、また顔が熱くなる。



なんで『ヤらしい』だの『ヤられちゃう』なんて言われなくちゃいけないんだろう…



「へえ。じゃあ…その高遠から逃げて来たんだ」

「まあ…そうなるかも」

アタシはお茶をがぶっと飲みこんだ。

「へぇ…そう。残念だね」

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