君までの距離
「ねー見える?」
「シュウが来たら、声かけるんだからね」
きゃっきゃっと華やかな集団がひしめいていて、どうやら何かの撮影が行われているらしい。
興味、ないなぁ…
もし、ここで待っていて芸能人に会えたとしても、それはただの『大勢いるファン』の一人でしかない。遥香くらいの美人なら、顔くらい覚えてくれるかもしれないけれど、きっとアタシレベルなら存在すらわからない。
ああ、でも会いたいんだろうな。好きな芸能人を見たいよね。
なんだか彼女らをけなげ に思えてきた。