君までの距離
「目が覚めるように仕事を持ってきたから、感謝するように」
そう言ってアタシの前に綴りを置いた。
これでこの人は、社内の成績がトップクラスなのだ。人なつっこい笑顔を武器に自分と相手の意見を上手くすり合わせる技術を持っている。
「はいはい。今日は何でしょうか」
「この資料、会議で使うから30部コピーしてきて。終わったら会議室の準備お願い」
「了解しました」
デスクワークに飽きていたアタシは、これ幸いとコピーをすることにした。