君までの距離
「候補は絞ったんですか」
「まあ予想通り、鷹峰と高遠の一騎打ちだね。だだ高遠くんの資料が少ないので判断材料に欠けただけで、かなり有力だね」
まあ、こっちもあるしねと指で輪を作ってみせる。
知名度のある鷹峰さんは、やっぱり出演料がいいようだ。
「じゃあ悪いけど明日貸して」
「了解です」
そう言って尾上さんは去っていった。
「先輩、いいな~尾上さんと話して」
パソコンの向こうから愛ちゃんが膨れっ面を覗かせる。
「なんで仕事だよ」
「仲良さそうに見えましたよ」
「尾上さんは人当たりがいいからね。誰にでも懐くよ」