君までの距離
「ああ…もうっ本っ当、しょうがない…」
顔を赤くした愛ちゃんがアタシをにらんだ。
「協力したんですから、明日報告お願いしますね」
「別に期待することもないよ」
更衣室を出ていきながら、背中にぽつりと言葉が聞こえた。
「本当、ズルイ。自分のことちっともわかってないんだから」
十分、わかってますよ。変な期待をしてるのは愛ちゃんだけだよ。
取り合えずアタシは待ち合わせをしたロビーに向かった。