カテキョ。
先生は３０分位ドライブしながら空港の裏、目の前には滑走路があり飛行機の離着陸がよく見れるスポットに連れて行ってくれた。

雨は通り雨だったのか、どしゃ降りの雨は止み、空は曇っていた。


「俺、ここ好きなんだよね。」

先生は飛行機が飛び立ち、雲の中へ消えていく様子を見ながら話した。


飛行機の轟音。
迫力いっぱいで全ての音はその音にかき消され、それを２人で見ていた。

離陸して、轟音とともに厚い雲の中に消えていく飛行機を見送ると、さっきまでの轟音が嘘のように車内は静まりかえっていた。

流れてくるＭＤの音楽に少しだけ先生とあたしの年の差を感じていた。

２人で次に離陸準備をしている飛行機を見ながら黙っていた。

外は曇り。
前にも後ろにもカップルらしき車が縦列駐車していた。

ちょっとだけ先生の横顔を覗くと、いつも穏やかな顔している先生が、隣でやけに真面目に飛行機見つめていた。

きっと何かいろいろと考えているんだ。

あたしは何にも喋りかけることが出来なかった。
 
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