カテキョ。

先生は静かに続けた。

「俺は本気で嬉しかったよ。知佳の気持ち。でも今は妹としか思えない。それは本当の気持ち。でも付き合えないのはそれだけじゃないから。」

「えっ……」

ますます先生の気持ちが掴めなかった。

「知佳は、センター試験受けないでしょ?」

「はい……」

「専門学校の入試いつだっけ?」

「……10月から12月にかけてです……。10月は推薦入試だけど……。」


たいした質問でもないはずなのに不安で、不安で、声が出ない。

今にもあたしの声は消えてしまいそうだった。

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