カテキョ。
数ヶ月前まで、人間不信だった。
そんな自分にまた戻りそうになっていった。
もしかしたら先生は、あたしの受験に対するモチベーションをあげさせるため、あんなことを言ったのではないか。
どうせまた、振られるのではないか。
本当はもう彼女がいるんじゃないか。
そんなことを考えてしまっていた。
考えれば考える程、あたしはどうすることも出来なくなっていた。
自分自身を含めて全てが嫌になっていた。
自分が自分でなくなりそうだった。
意思が弱いと言われればそれまでだが、気づいたときにはあたしの手首には、血がにじんでいた。
またリストカットしてしまっていた。
また明日、サキに笑顔で会わないといけない。
そのことが苦痛で仕方なかった。
無意識の中で自分を保つための行動だったと思う。