カテキョ。

数ヶ月前まで、人間不信だった。
そんな自分にまた戻りそうになっていった。


もしかしたら先生は、あたしの受験に対するモチベーションをあげさせるため、あんなことを言ったのではないか。
どうせまた、振られるのではないか。
本当はもう彼女がいるんじゃないか。


そんなことを考えてしまっていた。


考えれば考える程、あたしはどうすることも出来なくなっていた。
自分自身を含めて全てが嫌になっていた。

自分が自分でなくなりそうだった。


意思が弱いと言われればそれまでだが、気づいたときにはあたしの手首には、血がにじんでいた。

またリストカットしてしまっていた。

また明日、サキに笑顔で会わないといけない。

そのことが苦痛で仕方なかった。

無意識の中で自分を保つための行動だったと思う。
 

< 116 / 339 >

この作品をシェア

pagetop