カテキョ。
その沈黙はやっぱり先生が破ってくれた。

「あのさぁ、知佳。明日会えないかな?」
「えっ?」

先生の言葉に、あまりにもびっくりしてすっとんきょうな声をあげてしまった。


「明日、平日ですよ?しかも、あたし学校です……」

先生もバイトがあって忙しいのに、急にどうして会おうなんて言うのかなと思った。


「俺が迎えに行くよ。車だし、帰りは近くまで送るし。どうしても会いたいんだけどだめかな?」

いつもなら優しい先生が電話越しに押しが強い。

やっぱり好きな人にそう言われると弱い。

「はい。わかりました。」
あたしは答えた。

息ができないくらい胸がドキドキする。

「じゃぁ、また明日。」


そういって先生は電話を切った。
 
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