カテキョ。

次の日の授業はずっと夢心地だった。


本当に今日迎えに来てくれるのだろうかだとか、ところで先生はなんであたしに連絡してきたんだろうだとかいろんなことを考えて全く授業に集中していなかったから、古文の授業でひどく叱られた。

「受験が終わったからといって、調子に乗らない。他の子たちはまだ受験が控えているんだ」


クラスの子たちの視線が痛かった。
反省しながらも、また先生のことばかり考えていた。

あたしには先生の意図が全くわからなかった。
けれど幸せだった。また先生と会えることが幸せだった。

一方ではショウヘイに対する罪悪感があり、心の奥では戸惑っていた。

あたしの罪悪感は、授業中ブレスレットを見る度に徐々に大きくなっていった。
 
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