カテキョ。

「もしもし、先生?今、大丈夫ですか?」

「うん。大丈夫。」

「運転中じゃないですか?バイト中じゃないですか?無理なときは切っていいですから……」


先生はあたしの言葉に電話の向こうで笑ってるのがわかる。

「大丈夫だよ。今、コンビニでマンガ立ち読みしてただけだから……」
 

もう後には戻れなかった。

勇気を振り絞って、言うしかなかった。


「先生、あたし昨日いろいろと考えたんです。」

「うん。寝れなかったでしょ?」

先生は静かに答えた。

なんだか先生には全てお見通しのような気がしてならなかった。

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