カテキョ。
今度は1回目の電話よりもっと長かった。誰だろうと不思議に思いながら電話に出た。
 
「もしもし……知佳?俺、ショウヘイだけど……」

あたしは恐怖で固まった。

恐怖で固まってしまい、何も言葉が出なかった。

ショウヘイもあたしの言葉を待って黙っていた。

その沈黙の間にあたしには、恐怖よりも沸々と怒りが湧いてきた。


「なんでこんなことするの?もう別れたいって言ったじゃん。もう連絡もしたくない。だから拒否したんだよ。なんで分かってくれないの?もう連絡してこないで。」


あたしは感情のままにショウヘイに言った。

こんなに他人に対して感情的になって怒ったことは、初めてだったかもしれなかった。

「ごめん。どうしても話がしたかったんだ。もう一回会えないかな?」

ショウヘイはあたしを優しく諭したが、
「やだ」


即答であたしはショウヘイを拒否した。
 
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