カテキョ。
あたしの中のショウヘイは優しい人だった。

でもいつからだろうか、そんなイメージは微塵もなく、不快な男でしかなくなっていた。

「知佳……。どうしても会いたかったんだ。俺今どこにいると思う？」

電話を切ろうとしたあたしにショウヘイはそう言った。


「どこにいるって……公衆電話でしょ？」
 
公衆電話という言葉を自分で言って頭が真っ白になった。

あたしは、急いでベッドから飛び起きて２階の自分の部屋の窓から外を見た。

外を見るとすぐに、よく知っている後ろ姿をあたしは見つけた。

道の向こうに、家から見えるコンビニの公衆電話にショウヘイの姿があった。

ショウヘイはあたしが見ていることに気づかず、公衆電話に向かって話していた。

その姿を見たあたしは、また恐怖で固まった。

ショウヘイが電話の向こうで何か喋っていたけれど、聞こえなかった。
話が全く頭に入ってこなかった。


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