カテキョ。
あたしが嬉しくて大きく手を振ると、先生はあたしに気付いてくれた。


けれど先生があたしに気づいた瞬間とほぼ同時に、なぜか隣にいた女の人があたしに大きく手を振った。


彼女は背が小さくて、高校生の頃、クラスの女子に流行っていたキャラクターの大きなぬいぐるみを抱いていた。

ぬいぐるみが大きくて、彼女の顔半分が隠れていて、最初は誰だか分からずにいた。


でもその彼女は、明らかにあたしに対して大きく手を振っている。


段々近づいてきた彼女をみて、あたしは固まった。

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