カテキョ。
あたしは友達を待たせていたから単刀直入に2人に尋ねた。


もちろんサキには感づかれないようにと、細心の注意を払いながら尋ねた。


「付き合っていたなんて知らなかったぁ!いつから?」


先生は、黙っていて答えなかったけれど、サキは幸せそうに笑いながら答えた。


「2月から!あたしがバレンタインに告白したの。」

「サキ……。俺バイトだから、そろそろ行こうか。」

先生はサキの答えを遮るように言った。

サキと先生はバイトまでの約束でサキとデートしていたみたいだった。

先生はその場に居たくなかったのだろう。

逃げるようにしてあたしのもとからサキと2人で去っていった。

あたしは去っていく先生の背中を見つめながら、泣かないようにと下唇を噛んで、涙をこらえた。
 
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