カテキョ。
そのメールの相手を見て、すっかり眼が覚めた。

だって相手は、先生だったからだ。
 
〝title:久しぶり
今日ガソリンスタンドで会ったよな?〟


あたしは、あの男の人は間違いなく先生で、眼があったこともあたしの勘違いではなかったことを確信した。


先生のメールは、疑問形で終わっていた。

あたしは返信するかしないかで心が今までにないくらい揺らいだ。


あたしは先生とのさようならに納得出来ていない部分があった。


また進展があるかもしれないという淡い期待と、その一方であたしが返信することでシンちゃんを裏切ってしまうという2つの気持ちの間で心は揺らいだ。


これから先、あたしはシンちゃんと一緒になることで普通の幸せを手にいれることが出来るかもしれないけれど、メールをすることで、それを壊してしまうかもしれないなんて考えが浮かんでは消え、消えたと思うと浮かんできた。


いろいろな思いがあたしの心を揺り動かしていた。
 
 
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