カテキョ。
先生とは車の中で、少しずつあの日からのお互いの3年間を話し始めた。
「仕事は?大変だろ。」
先生の質問に笑いながら頷いた。
「でも、楽しいですよ。まぁ、まだ2ヶ月目だし、1日何回も先輩たちから怒られているけど。」
「社会人の洗礼だな。」
そう言いながら、先生は笑っていた。
「先生は、何の仕事しているんですか?」
「秘密。」
あたしの質問に先生は、答えなかった。
「ズルイ。」
あたしが拗ねたように言うと、先生は苦笑いした。
「家庭教師でも、ゲームセンターの店員でもなくて、放送関係かな。」
言葉を濁す先生にそれ以上は、聞かなかった。