カテキョ。
告白にもとれる、先生の話を聞いて、あたしも正直に言った。


「あたしもやっぱり先生が好きだと思っていました。でもあの日、先生とサキを見て、悲しくて、悲しくて……。なんでサキなんだろうって……。」

あたしは先生を見つめるように言ってみたけれど、先生は何も言わず、何も反応せずに聞いてくれていた。


「先生のこと諦めきれずにゲームセンターまで追いかけたけど、もう諦めるしかないのかなって思いました。その日に飲み会があって、なんかもうどうでもいいやって思って……。それから先生が見たあの彼氏と付き合うようになったんです。」


先生はそれを静かに聞き終わると、ポツリと言った。

「俺たち、いつもすれ違いだよな。」

少しだけ沈黙が続いた。


あたしは何か言わないと、そう思ったけれど
「そうですね……。」

その言葉しか見つからなかった。

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