カテキョ。
あたしはヒロアキの車の助手席に乗り込み、ドライブをすることになった。
生まれて初めてのドライブデートにあたしはテンションも最高潮に達してはしゃいだ。
車の中の音楽は二人が好きなアーティストの最新アルバムだった。
あたしは、1曲目しか知らなかったからずっとリピートして流していた。
「この曲、俺も好き。あと9曲目聞いてみて。この間、ライブ行ったらさ、女の子たちみんなその歌で泣いてたよ。」
そう言いながら、煙草をふかせて運転するヒロアキの横顔にあたしはドキドキした。
「やだ。この曲がいい。」
少しわがままを言ってみたあたしを、
「はいはい。」
と言って、ヒロアキは笑っていた。
ヒロアキと二人きりで会うのは初めてなのに不思議と会話は途切れなかった。