カテキョ。
海は太陽の光に反射してキラキラと光っていた。

夏休みの海には、水着の家族連れやカップルでいっぱいだった。海岸の近くの駐車場にヒロアキは車を停めた。

車の中から二人で海眺めながら、途切れなかった会話が途切れて、沈黙が多くなっていった。

それからその沈黙を埋めるように、ヒロアキがポツリポツリと話を始めた。

初めて男の人の車に乗ってはしゃいでいたあたしも、この雰囲気を壊さないように静かに聞いた。

ヒロアキは、1つ1つゆっくりと丁寧に言葉を選んで話した。

ヒロアキの心の中にある大切な宝物を紐解いていくかのように。


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