カテキョ。

もうすぐ日付が変わろうとしていた。


あたしはパソコンを閉じてお風呂に入ろうと思っていた時だった。


突然、あたしの携帯電話のバイブレーションが音を立てて震えた。
 

-…着信あり。…-
 
 
登録していないアドレスだったけれど、その数字の羅列に見覚えがあった私は、すぐに電話に出た。

「もしもし……。」


電話に出たあたしに、あの懐かしい優しい声がした。


「もしもし、知佳?久しぶり。あっ、でも今日会ったから、違うか。」

そう言って笑う声ですぐに先生だと分かった。

自分の胸の鼓動が早まっていくのが分かった。

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