カテキョ。
先生は、お勧めのワインを注文してくれてあたしたちは乾杯した。

グラスの重なり合う音が心地よく響いた。


前菜を食べ終わり、パスタを食べながらあたしと先生は2人でこの8年間を振り返りながら話をした。

「知佳、いくつになった?」

「25歳。もう、アラサ―ですよ。」


そう言ってあたしが笑うと、

「俺、31歳。8年は早いな。」

そう先生も言って笑った。

先生のお勧めのワインはパスタとよく合っていておいしかった。

お互い少しアルコールが入って、頬が赤くなっていた。

アルコールの力を借りてあたしは、思い切って呼んでみた。

「村上さん。」
「何?」


「何でもありません。」

あたしが先生ではなく、名字で呼んだことにお互いが沈黙し、吹き出して笑った。


笑いながら、
「俺も、やっと、先生を卒業かな。8年は意外と長いな。」

「さっき、8年早いって言ったじゃないですか。」

冗談を言う先生に、笑いながらツッコんだ。
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