カテキョ。
タオルケットをかけられたのに気付いて横を見ると、陽が帰ってきていた。

時計をみると4時を過ぎていた。

「遅いよ。」

そう言って起き上がりながら、寝ぼけ眼をこすりながら抗議するあたしをなだめるように、陽はあたしをまたソファーへと押し倒してキスをしてきた。

「ごめん。」

反省した様子で、陽が言うものだから、急に陽が愛おしくなった。

「32歳、おめでとう。」

そう言ってあたしは、陽にキスをした。

「1番だった?」

あたしの質問に、陽は何か思い出したように
「はいはい、一番です。もう、知佳は、子供か。」

そうやって呆れた顔をしながら、またキスをした。キスは、甘く、熱いものだった。


そのまま、あたしたちは、またこの8年を埋めるよう狂おしい程に愛を確かめ合った。
 
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