カテキョ。
その時、初めて気付いた。
いつもの先生の笑顔は営業用なんだということを。
家庭教師というバイトをしている営業用の笑顔なんだということを。
そして先生は、あたしの頭を優しくなでた。
あたしが泣き止むまで、黙って何度も何度もなでてくれた。
でも先生は告白の返事ひとつ聞かせてはくれなかった。
もうあきらめよう。
きっとだめなんだ。
先生とご飯デートももういけない。
自分で先生との関係を壊してしまった。
告白をしてしまったことをひどく後悔した。
悲しくて、悲しくて、最後の授業のはすなのに、後半は真面目に教えてくれる先生の横顔を静かに見つめてた。