芹沢くんの秘密。
*****(回想おわり)
あの日はほんとに嬉しすぎて家でもずっとにやにやにやにやしてて、
大好きな夕飯のからあげも喉を通らなくって、お兄ちゃんに気味悪がられたなぁ。
だって、外ではあんなに無表情なのに。
笑うと綺麗に整った顔がくしゃってなって、
いじわるな小悪魔みたいな表情もあって。
意外に表情豊かなんだな、って思った。
きっと、ライバルいっぱいいるだろうな。
年上に好かれそう。
わたしなんかクラスも違うし。
ちんちくりんだし…。
って!違う違う!
こんなネガティブになってちゃまた萌に怒られちゃう。
次からはもっとポジティブにいこう。
もっと芹沢くんと話したいな。
そして自分の中で結論を出したわたしは誰もいなくなった図書室を後にするのだった。