芹沢くんの秘密。
次の週の金曜日。
芹沢くんは、図書室が開くと同時ぐらいにいつもやってくるのに、その日は図書室を閉めるころになってもやってこなかった。
どうしたんだろ。
まあ、いろいろ都合もあるんだろうし、こういう日もあるよね。
金曜日を待ちに待ってたわたしとしてはすこし寂しいけど、仕方がない。
「はぁ〜、誰もいないし、ちょっと早いけど閉め「川瀬さんッ!」
……っ、芹沢くん!?」
びびび、
びっくりした〜…。
初めて芹沢くんがこんなに大声だしてるとこ聞いた気がする。
ドアの方を振り向いてみると、少し息切れしてて余裕のなさそうな彼の姿があった。
その顔には、少し大きめの絆創膏が貼ってあった。
どうしたんだろ…。
猫にでも引っ掻かれたのだろうか。