芹沢くんの秘密。
やって来ました夏合宿。
あれから、なんだかんだで、夏休みです。
そして夏合宿です。
高校生で貸し切りのバス内は、やたらと騒がしい。
わたしは萌の隣に、前の席には宗介と宇がいる。
まあ、わたしと宗介がやたらとテンションが高いのはいつものことだ。
「花音…もうすぐ着くんだから、そろそろお菓子食べるのやめなさいよ」
「そうだぞ〜太るぞ〜?」
「だって〜…これが移動中の醍醐味ってもんじゃない?」
わたしは移動中のバスとか新幹線でついお菓子を食べ過ぎて、いざ現地で食べられなくなるタイプである。
そろそろ控えるとするか…。
「おーい、そろそろ荷物まとめとけよ」
そんなこんなで、着きました、鎌倉。
バスを降り、集合場所の広場まで移動。ここでグループ別に解散し、時間になったらまたここに集まるということらしい。
「ちょい、花音」
「ん〜?」
珍しく宗介がコソッと耳打ちしてきた。
「よく考えたらさ、この合宿宇からしたらめっちゃチャンスじゃね?」
「それ、わたしも思ってた。」
「俺らが気ぃきかせてなるべく二人にしてあげようぜ」
ニヤニヤと満足そうに話す宗介。
まあ、宗介にしては気の利くこと言うじゃん。
「そうだね。なるべく二人きりにしてあげよ!」
ニヤニヤコソコソ話すわたしたちに、萌は相変わらず『?』な表情を浮かべていた。