芹沢くんの秘密。
補習と追試。
あっという間に楽しい時間は過ぎてしまって。
補習アンド追試という名の地獄の始まりである。
といっても今年は…。
「随分とやる気ね。…芹沢くんの影響?」
「まあ…、違うと言ったら嘘になるけど…。」
わたし、全てが顔に出てるらしい。
萌はすこし寂しそうにため息をついた。
「これであたしもお役御免ね。毎年花音の教育係だったけど」
「そんなこと言わないでー!萌にも教えてもらうもん!」
「贅沢言わない。ほら、待ち合わせしてんでしょ。早く行かないと」
学年共通の補習は今終わったところ。
これからわたしは芹沢くんと校門で待ちあわせて、図書館で勉強。
「萌も、部活!がんばってね!」
「言われなくてもわかってるわよ」
楽しみすぎて思わずスキップでもしそうになる。
追試は来週。
芹沢くんに会えるのはもちろん楽しみだけれど、そんなにもうかうかしていられないのだ。