芹沢くんの秘密。
「こんなに勉強ができるなんて、花音じゃない…」
「明日槍でも降るんじゃね?」
萌が世界の終わりのような顔をしている。
超絶失礼!!
「たって、すごい頑張って勉強したもん、わたし!」
「相当集中してやったんだな、花音。宗介も見習えよ〜?」
「うるせー、宇!」
補習後、わたしたちはいつものように集まって勉強しながらダベっていた。
わたしがあまりにもスラスラと問題集を解くので、みんな驚きを隠せないらしい。
いつも同じくらい出来損ないの、宗介がすごく悔しそうだ。
「どうする、明日も勉強会、やる?」
「頼む!俺を追試の恐怖から救ってくれ〜!」
「あ、わたし明日予定あるから、三人でやってて!」
明日は芹沢くんと約束の金曜日だ。
途端、萌がニヤけ顔になる。
「はいはい。頑張ってね?」
宗介は、裏切られた気分がするのか、不機嫌そうな顔をしていた。