芹沢くんの秘密。



あのあと、萌は本屋に用があるらしく、付いていくと言った宇とも別れ、二人で宗介と帰ることになった。

最初、宗介はちょっと不機嫌そうに黙っていたが、しばらくして口を開けた。



「…明日、誰と用事あんの」


「ん〜…、友達?」


友達と言っていいのかわからないけど。
ただの顔見知りから友達くらいにはレベルアップしてるといいな。


「なんで疑問形なんだよ…


 …もしかして、芹沢?」



えっ…


宗介、芹沢くんのこと知ってるの?

でもあのとき会ったのに、何も反応してなかったよね?



「う、うん。宗介、知り合いなの?」



「知り合いも何も…あいつ、元サッカー部なんだよ」


「ええっ!?そうなの!?」



サッカー部ということよりも、退部していたことに驚いた。
運動神経すごくよさそうなのに、なんでやめちゃったんだろう…?



「悪いけど…正直言って、あいつには関わらないほうがいい」


「え…?」


一瞬、宗介は冗談をかましたのかと思った。

だけど、その顔があまりにも真剣だから、つい固まってしまう。



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