芹沢くんの秘密。
ちっちゃな白雪。
文化祭で、白雪姫をやることになった。
そこまではいい。
肝心の配役。
「なんで白雪姫がわたしなの!!??」
公平に、クラス全員で投票となったが、演技力もクソもないわたしがなぜかぶっちぎりの一位だったのだ。
「だって花音なんか似合うじゃん?ちっさいし。」
クラスメイトの女の子が(たぶん適当に)言う。
理由になっていない!
「しかもよりによってなんでコイツが王子様なのよー!」
「そ、それはこっちのセリフだろ!」
ビシぃと指を指した先には西野宗介がいた。
こちらもめんどくさそうな顔をしている。当たり前だ。
最初は王子様役をやりたがっているのかと思っていたけれど、違うみたい。
わたしが白雪姫だからだろうか。
「俺も花音、いいと思うよ。シンデレラだったら、萌がいいと思ってたけど」
宇はフォローしているつもりなのだろうか。
ぜったいこいつ萌にやってほしかったよね?そうだよね?
「まあ…がんばりなさい、萌。」
萌のその言葉によって、決定〜!と盛り上がる教室内。
なんだこの空気。