芹沢くんの秘密。
クラスメイトとわたし。
「花音、あんたにやにやしすぎ。」
「……へっ?そうかな?」
月曜日の朝。
わたしは金曜日のあの後から、気づけば口もとが緩みっぱなしだった。
そんなわたしに呆れた顔をしてる萌も、どこか嬉しそうだ。
「だって、わたしのこと覚えてくれてたってことだよね!?…でもなんでわたしの名字知ってたんだろ…?」
「それは…愛の力よ」
ドヤ顔を決めながら萌が言う。さすが萌、様になっている。
「そんな萌だって、一ノ瀬先輩と!いい感じなんでしょ〜?」
にやにやしながら言ってみると、萌は少し頬を赤くした。
萌だって、今絶賛片思い中である。
といっても、わたしには、両片思いにしか見えないけど。
萌はサッカー部のマネージャーをしてる。
それで、3年のエースで超イケメンで超人気者の一ノ瀬先輩が好きなんだって。
あ〜、早くくっついてほしいな。だってお似合いだもん!!
ばしっ。
突然頭に軽い衝撃が走る。
「な〜にアホ面してんだよ、花音」
この、憎たらしい声は。